東京日本橋の老舗卸売企業が小売を始めたワケとは?「馬喰ローカルマルシェ」が目指す姿
東京・日本橋馬喰町で小売店を対象とした卸売として「衣・食・住」生活用品全般を取り扱うエトワール海渡さんは、今年で創業119年を迎える老舗企業です。2020年春から個人向け小売事業として「馬喰ローカルマルシェ」をスタートさせた理由や、地域との関わりについて担当の皆さま(大崎 千賀子さん、荒井 風香さん、葉山 薫さん)にお話を伺いました。
※新型コロナウイルスの感染拡大リスクに十分配慮のうえ取材を行いました。
株式会社エトワール海渡
東京・日本橋馬喰町にショールームを構える総合卸商社で、ファッションから雑貨、食品に至るまで、幅広い商材を取り揃える。2020年からは個人向け小売事業「馬喰ローカルマルシェ」をスタート。
立ち上げたきっかけは、2020年のコロナ禍における緊急事態宣言
エトワール海渡は国内外あわせて2万の会員を有し、取引メーカーも3500社という規模の総合卸売商社です。基本的には本社のある日本橋馬喰町の店舗に来店いただき、商品を仕入れていただくプロ向けの卸売事業がメインです。
しかし、コロナ禍の2020年4月に緊急事態宣言が出たことで思うように外に出かけられなくなってしまう中、長らく商売をさせていただいている日本橋馬喰町やその近辺の方々に向けて、私たちで何かお役に立てることはないだろうかという思いがありました。
そこで、地域の皆さまにも気軽に足を運んでいただくことができ、そしてお買い物を楽しんでいただける一般向けの小売事業として、このローカルマルシェをスタートさせることになりました。
当初は卸売業の一部を一般の方にも開放するという位置づけでスタートしたのですが、現在では小売事業として完全に独立して運営しています。品揃えについては「身体にいいもの、心にいいもの、環境にいいもの」をコンセプトに、卸売業で培ったバイヤーの目利きを活かして、食料品や雑貨などを中心に「あったらいいな」というものを取り揃えています。
問屋街である馬喰町に、気軽に立ち寄れる場をつくって街を盛り上げたい
地域の人が「今、欲しい」と思うものを、気軽に買えるような場所を作りたい――馬喰町には意外とそういうショップが少ないので、地域の方たちの憩いの場になれればいいなと思います。
実はこの馬喰町近辺は、以前は本当に「問屋街」という感じの街だったんですが、ここ数年でミレニアル世代の若い方々――クリエイターとかおしゃれな方がマンションに住まわれるようになってきて、リノベーションしたおしゃれなカフェやショップも増えてきてるんです。だから、私たちもそういった周辺の皆さまと一緒にこの街を盛り上げていきたいと思っています。
ネットショップも始めたので、重くて持ち帰りが大変なものなどで便利に利用していただけるといいなと思っています。ですが、やはり実店舗は人と人が触れ合える場所として重要ですので、こちらも引き続き力を入れていきたいですね。
「馬喰町にはこういうものもありますよ」と地域の魅力もあわせて情報発信していく
「馬喰ローカルマルシェ」スタートに伴い、情報発信にも取り組んでいくことにしました。今までSNSって、例えばInstagramやTwitterは「これって誰が見てるの?」っていうところがあって、その効果がいまいちわからなかったんです。その点、ピアッザって近隣地域のSNSツールだと思うので、まずそこで近所のお客さんに認知してもらって、それでどういう反応があるかっていうところを継続的にやっていこうと考えています。
お好きな鍋料理は何ですか?皆さまのお好きな「鍋料理」を教えてください(ピアッザで見る)
おにぎりは何派?皆さまのお好きな「おにぎり」を教えてください(ピアッザで見る)
SNS上でのコミュニケーションとしては、直接的に「お店に来てください」というよりも、ちょっとした街情報なんかもお届けしながら「馬喰町にはこういうものもあるからぜひ来てください」っていうふうにやったほうがいいのかなと思いながら実践しています。
あと自分たちからの発信以外でも、フォロワーの方が口コミ的に情報発信してくださるところが安心感につながるのかなと思っていて、とてもありがたいなと感じています。他のSNSに比べて、ピアッザにはコメントのしやすさというのがありますね。距離感が絶妙なんでしょうかね、顔が見える感じっていうか。
今後はお店の特徴をうまく出していきたいですね。近隣の方であればお店まですぐに見に来ていただけますから、そういった中で得られたお声をスピード感よく店舗に反映していきたい。それで、次に来店されたときに「声が反映されてるな」「情報が早いよね」と感じていただける店舗や品揃えを実現していきたいですね。