2022.01.12
子ども環境情報紙「エコチル」と地域SNS「ピアッザ」の連携で、エコな子どもによる地域に根ざした活動をもっと増やしていきたい
子ども環境情報紙「エコチル」事業を展開するアドバコムとPIAZZAは、2021年12月7日(火)に地域コミュニティの活性化を目指した連携協定を締結しました。エコチル事業や今回の連携協定によって期待される効果について、アドバコム代表取締役の臼井 純信さんにPIAZZA代表の矢野 晃平とお話を伺いました。
※新型コロナウイルスの感染拡大リスクに十分配慮のうえ取材を行いました。
株式会社アドバコム
「コミュニケーションビジネスで社会課題解決への貢献」を企業理念に掲げ、2006年から環境プロモーション(エコチル)事業を展開。企業・行政・学校などと連携したさまざまな環境・SDGsの推進活動に取り組んでいる。
地球環境保全に一生懸命取り組めるエコな子どもを世界中に育みたい
PIAZZA LIFE
- 臼井社長、矢野さん、先ほどは連携協定の締結式お疲れさまでした。
それでは、ここからは臼井社長にいろいろとお話を伺ってまいりたいと思いますが、まずはアドバコム社ならびに「エコチル」のご紹介をお願いします。
臼井社長
- アドバコムは2001年に北海道札幌市で広告会社として設立しました。コミュニケーションビジネスで社会課題を解決すると企業理念に掲げているのですが、それを具現化する事業のひとつとして、2006年から子ども環境情報紙「エコチル」という事業を展開しています。
最初は北海道札幌市の公立小学校からスタートしたのですが、先生から子どもたちに配布していただいて、それを家庭に持ち帰って親と一緒に読んでいただくというスタイルの“子ども環境教育情報紙”です。
エコチルというのは「エコロジー+チルドレン」という意味で、地球環境保全に一生懸命取り組む子どもたちを1人でも多く育みたい。そして学校や家庭の中でエコライフが浸透することを目指し、毎月1回発行しています。
PIAZZA LIFE
- それでは、ピアッザをご存じでない読者もいらっしゃいますので、矢野さんからも地域SNS「ピアッザ」について改めてご紹介をお願いします。
矢野
- 地域コミュニティの活性化に少しでも貢献できるツールを目指して「地域のSNS」という形で事業展開させていただいています。特に子育てをしている方に多く利用していただいているサービスになります。
PIAZZA LIFE
- 臼井社長はアドバコムの代表でもあり、エコチルの編集長でもいらっしゃるということですが、エコチルを通して今後実現していきたい想いについてお聞かせください。
臼井社長
- 広告やプロモーションを世に送り出すビジネスをしている企業ですが、このコミュニケーションビジネスを通じて地域や社会の課題解決に貢献していくということを企業のミッションとして掲げています。そのひとつとして、エコチル事業でエコな子どもたちを育んでいきたいと思っています。
最初は札幌で毎月10万部の発行からスタートしたエコチル事業ですが、現在では北海道全域、東京23区、横浜市、そして2021年9月からは長野県佐久地域でも創刊しまして、トータルで月間77万部という規模で無料配布を実施しています。
環境問題というのはひとつの地域だけの問題ではありませんので、なるべく多くの地域の子どもたちに届けたい――最終的には世界中で展開したいくらい(笑)――そんな思いでやっています。
PIAZZA LIFE
- 実際にエコチルを読んでいる子どもたちは、どのような反応を示してくれていますか?
臼井社長
- エコチルの表紙に掲載する絵を公募しているんですが、本当に想像力豊かなイラストが子どもたちからたくさん届いています。最近だとやはり“SDGs”への関心が非常に高まっていることがよくわかる作品が集まってきますね。
また、5年に1回くらいの頻度で大規模なアンケート調査を実施しているのですが、実際に毎月エコチルを読むことで環境への意識が高まった、さらには環境を意識した行動が増えた、といった回答をお子さんや保護者の皆さんからいただくことが多くなっています。
PIAZZA LIFE
- 最近のホットワードである“SDGs”ですが、大人の我々でさえ実際にどこまで理解できているかと言われると怪しいところもあります。そんな難しいテーマを子どもたちにはどのように噛み砕いて伝えているのですか?
臼井社長
- エコチルの編集方針としては、いかにわかりやすく伝えるかということがあります。例えばイラストや写真を多く使ったり、あるいはカラフルな色使いで興味を持ってもらいやすくしたり。あとは当然ながら、漢字には全てルビを振るようにしていますね。
その他には、環境問題に興味を持ってもらうための工夫としては「エコ川柳」などの公募企画を実施しています。子どもたちが自分で川柳を考えてくれるわけですが、これがきっかけで何が起きるかというと、家庭の中で子どもたちが自分で考えて自分で行動するようになるんですね。わかりやすいところですと省エネの工夫もそうですし、食べ残しをなくそう、ゴミを減らそうといったこともそうかもしれません。
子どもたちが行動するようになると、それを見た親が逆に影響されるという面もあるんですよ。子どもから「電気の無駄遣いは良くないよ」なんて言われたら、大人もちょっとドキッとしますよね。そういう効果はあると思います。
初めて知ったときからすごく共感できたし可能性を感じることができた
PIAZZA LIFE
- 2006年に札幌からスタートしたエコチルですが、現在の規模に成長するまでは順調な道のりだったのでしょうか?
臼井社長
- 順風満帆かというと決してそうではないですね。事業を始めた当時は、いち民間企業が発行する情報紙を学校教育の現場で先生に配布していただくなど前例がないことでしたので、理解を得るには苦労しました。
ただ、私はあまり苦労とか失敗とかを感じないというか――20年も会社を経営しているとそうなるのかもしれませんが――何かを成し遂げようと常にチャレンジしている立場ですので、困難はあって当然なわけです。
それに向き合い乗り越えていくことで、成長できて次の景色が見えてくる。そういう意味では失敗も成功するために必要な要素なんだと捉えることが自然になって、あまりネガティブな感じじゃなくなりましたね。
矢野
- 私の立場からすると臼井社長は大先輩で、この領域を切り開いてくださった方なんですよね。
正論や理想論だけではない。半端ない熱量と行動力、そして巻き込み力こそがエコチルを実現させ、ここまで成長させているんだろうなと思いますし、ムーブメントというのはまさにこうやって作られていくんだなと感じます。
私はそんな臼井社長の思いや熱量に巻き込まれた人間の1人なわけです(笑)
PIAZZA LIFE
- そもそもお二人が出会ったのはどのようなきっかけだったのですか?
矢野
- 私がもともとエコチルさんのファンだったんですよ。過去には会社に問い合わせをさせていただいたことがあるくらい(笑)
それでちょっとした経営者の集まりがあったときに、エコチルさんの話題を出したところご存知の方がいらして、その方におつなぎいただいたというのがきっかけです。
臼井社長
- 信頼している親しい方からのご紹介でしたし、どんな会社さんなのかなと調べてみたらすごく共感できるところがあった。それで一度オンラインでミーティングさせていただいたんです。ところが、それがぜんぜん時間が足りなくって(笑)
あっという間に時間が過ぎてしまったんですが、もっと話したい、もっと知りたいと感じましたので、次の東京出張のタイミングでもう一度お時間をもらえませんかとお願いしまして。それで今度は直接ゆっくりとお話しすることができて、すぐに意気投合した――という感じですね。
PIAZZA LIFE
- 具体的にはどのようなところに魅力を感じられたのですか?
臼井社長
- 初めて知ったときに素晴らしい事業だなと感じました。矢野社長のプレゼンテーション動画も拝見したのですが、すごく共感できたし可能性を感じることができたんです。
私たちもエコチル事業をもう15年やっているわけですが、そこで扱っている環境問題とかSDGsのテーマってとても壮大じゃないですか。それを自分ごととして捉えてアクションを起こしてもらうって簡単なことじゃなくって、身近なコミュニティの中で地道に根付かせていかないと大きな動きには繋がらないと感じています。
そんなときに矢野社長と出会ってお話を伺いまして。このピアッザというサービスは私たちが日々感じている課題感ともすごくマッチしていて、これから本当に大事だになってくるだろうなって感じました。
「リアル×デジタル」「メディア×コミュニティ」で地域に根ざした活動を増やしていく
PIAZZA LIFE
- 今回このような形で連携することになりましたが、それによって生まれる効果やメリットについてどのように捉えていらっしゃいますか?
臼井社長
- 私たちにはエコな子どもたちを育みたい、家庭や学校でエコライフを浸透させたいという思いがありますが、エコチルが得意とする広い面的な話だけではなく、地域に根ざしたコミュニティの形成というピアッザさんの力に期待しています。
子どもたちが隣の友だちを誘ってゴミ拾いをする。そんな小さな活動がピアッザを通じて町内会レベルでつながり、広がっていく。そうすることで本当に地に足が付いた、エコチルが理想としている世の中に近づいていけるんじゃないかと思っています。
矢野
- エコチルとピアッザは、本質的にやりたいことが近いんだろうなと感じます。ターゲット層が近ければ、実現しようとしている社会のあり方も近い。その前提において、私は3つの観点で今回の連携が意義高いと思っています。
1点目は「リアル×デジタルによるリーチ」です。リアルの面でエコチルさんは現在でも77万部という圧倒的な配布量ですが、これはこれからどんどん増えていきます。そこに私たちが持っているデジタルの力を掛け合わせることでリーチ数をもっともっと高めることができます。
2点目は「メディア×コミュニティによる付加価値」です。両者ともメディアとしての側面とコミュニティとしての側面の両面を持っていますが、それを相互につなぎ合わせていくことで相互のファンが増える。ファンが増えるということは素晴らしい地域活動が増えるということです。メディア×コミュニティでローカルに対する接点を作っていきたいです。
3点目は純粋に「ビジネスとしての価値」です。やはりこういった事業を継続・成長させていくためには、私たちも生業としてうまくやっていく必要があります。その点では広告商材としてお互いの連携がうまく回っていくと両者にとってメリットがあるのではないかと思います。私たちピアッザのほうがサイズとしてはまだまだ小さいですから、エコチルさんに価値を提供できるように一生懸命に頑張っていきたいなと思っています。
PIAZZA LIFE
- それでは最後になりますが、今回の連携協定を受けて今後に対する意気込みをお聞かせください。
矢野
- エコチルさんが掲げている思想を広げるという部分は既にされていると思いますが、私たちとしてはそれを根付かせるというところでデジタルとコミュニティの強みを生かして少しでも貢献できればと思っています。エコチルさんの全国展開、そしてグローバル展開に向けて少しでもお役に立てればと思います。
臼井社長
- 私も本当にピアッザさんのサービスが素晴らしいなと感じていますし、これからの世の中に必要なものだなと思っています。事業の性質という部分でも似ているところがあって、行政との連携などが重要になってくるわけですが、これまでの私たちの経験をうまく活用して協力していけたらと思います。私たちの拠点である札幌でもピアッザの展開を一緒にしていけたらと思いますね。
矢野
- ぜひお願いします!
臼井社長
- エコチルも全国にもっと広げていきたいので、ピアッザさんと連携しながら一緒にエリア拡大に取り組んでいけたらなと思います。そのためにも今回の連携協定をきっかけに、ひとつずつ成功事例を積み上げていきたいですね。