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2021.01.14

新型コロナウイルスが浮き彫りにした、地方自治体ごとの意識格差

新型コロナウイルスによって世の中が大きく様変わりしてしまった2020年。コロナ禍は地方自治体や行政のあり方にどのような影響をもたらしたのでしょう。PIAZZA代表の矢野に聞きました。

※新型コロナウイルスの感染拡大リスクに十分配慮のうえ取材を行いました。

デジタルでローカルをつなぐプラットフォームが必要

コロナの影響でビジネス環境に変化が起こってきたなと感じたのは、結構早いタイミングで2月ごろからでした。しかも、とてつもなくネガティブな方向の変化。それはPIAZZAのビジネスがどうとかいう以前に、社会全体としてどうなってしまうんだという感じでした。

コロナ禍で高まる地域SNSの必要性
コロナ禍で高まる地域SNSの必要性

これまでは「コミュニティ」というとお祭りとかイベントとか、比較的リアルなものが中心だったんですが、コロナ以降はよりデジタルでやっていく必要性が増えてきています。また、今まで街のコミュニティを支えてくださっていた高齢化する町内会の在り方の変化も急務です。働き方はリモートに変わってきたことで、今まで日中居なかった住んでいる、暮らしている街の情報がより必要になってきました。

大きく変化が起きたのが地域経済という観点です。今まではインバウンドを含めた来街者による商圏で成り立っていた事業でも、もっともっと身近なところにある足元商圏の重要性が急速に高まってきています。

行政に関してはコロナ以前からの傾向かもしれませんが、中央集権から市民自治に移行してきています。国内全体の人口減少/少子高齢化は進むばかりで、今後税収が減っていくことは承知の事実。行政サービスで担う部分が減っていく中で、いかに効率を高めるか、市民自治を強化するかが大きな課題です。コロナがこの傾向を加速させ、2020年7月には東京の人口流入が前年比で初めてマイナスになりましたよね。つまり、全体的な減少に加えて分散化も加速している状況であり、自治体としての戦略が問われている時代。

以前からあったトレンドが、コロナの影響でさらに後押しされ未来が早まったと解釈しています。このような状況下で「デジタルでローカルをつなぐ」というプラットフォーム的なものが街に関わるステークホルダーに対してより一層必要になってきていると感じています。

変遷していく街の価値
変遷していく街の価値

今動けるかどうかで、自治体ごとの格差は明確に出てくる

業務の効率性、非接触化、分散化という観点で「デジタトランスフォメーション(DX)」の必要性は高まっています。一方、各自治体での受け止めには温度差がかなりあると感じています。また実際に行動を起こされているかどうかでも、大きな差があります。

先進的な捉え方でいろいろとチャレンジしている自治体もあれば、DXのような新しいトレンドに対して未だに「事例がないから」と言って動けないでいる自治体もある。地方だとか都心だとかの違いではなくて、それらはすぐ隣り合わせに存在しうる状況にあるんです。それくらい、自治体によって意識の差が極端に出てきているなと感じます。

2020年は総理大臣も代わって、DXというものに対して大号令的なものはかかっていますが、やはりそれを受け止める地方自治体の意識が変わらないと、実現は難しいんじゃないかなと思います。ただそんな中でも希望はあって、こういった状況をなんとか変えようとしている職員の方々が、地方自治体の現場にはたくさんいるということです。現場にはたくさんいるし、区長や市長といった首長の皆さんの中にもすごく先進的な方はいる。実際はそうじゃない人もたくさんいるけど、そういう人たちがたくさんいることも事実だと思っています。

コロナ以前に、今後の人口減少/少子高齢化が進む中で消滅する都市が出てくるのは、冷酷な事実です。今まさに生き残りをかけた都市の競争戦略を見直す時期にあります。

ハンコや行政手続き、町内会のデジタル化などは所詮ひとつの手法にすぎません。いかに住民・民間から求められる自治体になれるかという中からの意識改革「Government Transformation(GX)」が今必要です。これまで自治体はインフラ的な役割でしたが、今後は選ばれるためのサービス業としてのマインドも必要です。これができない自治体は、今後人材流動性が一層高くなる中で間違いなく取り残されていく。皆さんが住んでいる街による行政サービスの格差っていうのは次の2、3年に明確に出てくるはずです。

その要としてデジタル化はあるのですが、それだけでは間に合わないので、自治体がよりオープンなプラットフォームになっていくのが私の持論です。

(後編へ続く)

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前編:新型コロナウイルスが浮き彫りにした、地方自治体ごとの意識格差
後編:市民の主体的な関わりが、これからの行政や地域コミュニティを変えていく

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