竹芝にこんなユニークなホテルがあると知って欲しい――コロナ後を見据えて「メズム東京」が意識していること
東京・竹芝のラグジュアリーホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」(以下、メズム東京)は、新型コロナウイルスの感染拡大による1回目の緊急事態宣言が発令されていた2020年4月27日に開業しました。コロナ禍における難しい船出となる中、地元竹芝との関わりやアフターコロナを見据えたさまざまな取り組みについて、マーケティング コミュニケーションズ スペシャリストの佐藤 可奈子さんにお話を伺いました。
※新型コロナウイルスの感染拡大リスクに十分配慮のうえ取材を行いました。
メズム東京、オートグラフ コレクション
2020年4月、東京・竹芝に開業したラグジュアリーホテル。“TOKYO WAVES”をコンセプトに、音楽、香り、アート、美食といった遊び心あふれる数々の仕掛けで、訪れるゲストの五感を心地良く魅了する。
ゲストの五感を魅了する、世界で唯一無二のホテルを目指して
メズム東京は、自然豊かなウォーターフロントが特徴の複合施設「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」のタワー棟に2020年4月に開業しました。JR東日本グループの日本ホテルがマリオット・インターナショナルと初めて提携し、個性溢れる独立系ホテルのコレクションライン「オートグラフ コレクション ホテル」に国内では2番目に加盟したホテルです。
メズム東京には「TOKYO WAVES」というコンセプトがあります。東京の躍動感と共鳴して常に新しい形であり続けたいという思いを、当ホテルのロケーションでもある東京湾の常に変わりゆく波に重ねています。
館内に一歩入った瞬間に感じるオリジナルフレグランスや、あえて強めのボリュームで心に響き記憶に残る高音質の音楽「FGM(フォアグランドミュージック)」と。ウォーターフロントの絶景を楽しみながら、こだわりのオリジナルカクテルを味わう――。
「五感を魅了するホテル」というメズム東京のフィロソフィーを体現する、さまざまな仕掛けがホテルの各所に散りばめられているんです。
コロナ禍の真っ只中、緊急事態宣言発令中の難しい船出
新型コロナウイルス感染拡大の影響で1回目の緊急事態宣言が発令されていた、2020年4月にメズム東京はここ竹芝に開業しました。
インバウンドのお客さまはもちろんのこと、国内の移動も制限されるような時期に開業するのはいかがなものか――当然ながらギリギリまで議論がありました。しかし最終的には総支配人の決断で、予定通りにホテルを開業することになりました。
2021年4月27日で開業から1周年となりましたが、その時もまた3回目の緊急事態宣言発令中という状況でした。まさに難しい船出を象徴するかのようなメモリアルデーとなりましたが、この日を無事に迎えられたのも、このような状況下においても変わらずご愛顧いただいたお客さまのおかげですので本当に感謝しています。
もちろん、海外からのお客さまも視野に入れた上でのオリンピックイヤーでの開業だったのですが、残念ながら現状ではまだインバウンドのお客さまは見込めません。遠出が難しい情勢のなか、国内のお客さま、なかでも東京都内をはじめとした関東エリアから多くのお客さまにお越しいただいたことが印象的で、とても嬉しかったです。
滞在が旅の目的になるような、新しいホテルの楽しみ方を提案
メズム東京の客室には、さまざまな日本のブランドとコラボレーションしたオリジナルのアメニティやアイテムをご用意しており、中でもコーヒーをあえてハンドドリップで淹れて楽しんでいただけたり、茶器と茶筅で本格的な抹茶をお楽しみいただけるなど、他のホテルにはない五感を魅了する仕掛けがたくさんあるんです。
コロナ禍にあってまだまだ観光を楽しめる状況ではありませんが、ステイケーションやワーケーションといった言葉(*)で表現されるような、ホテルに滞在すること自体を旅の目的にできる素敵な空間を目指しています。
*ステイ(滞在)やワーク(仕事) とバケーション(休暇)を合わせた造語
ゲストルーム
また、メズム東京にはバー&ラウンジ「Whisk(ウィスク)」や、レストラン「Chef’s Theatre(シェフズ ・シアター)」があるのですが、Whiskで毎晩開催されている音楽やアートのライブパフォーマンス「ショーケース」を目当てにお越しいただく方や、Chef’s Theatreでのお食事だけでいらっしゃる方など、宿泊を伴わないご利用のお客さまもたくさんおられます。
バー&ラウンジ「Whisk(ウィスク)」
レストラン「Chef’s Theatre(シェフズ ・シアター)」
*ビストロ(大衆食堂)とガストロノミー(美食家、美食学)を合わせた造語
アフターコロナを見据えたコミュニケーションを
メズム東京は生まれたばかりのオリジナルブランドですし、「オートグラフ コレクション」というマリオットのブランドもまだまだ認知されていないと思いますので、東京・竹芝にこんなユニークなホテルがあるんだよということをもっともっといろんな方に知っていただきたいです。
ホテルは地域との深いつながりが重要ですので、都内、なかでもホテル近隣にお住まいの方や竹芝周辺にお勤めの方に、まずはメズム東京に興味を持っていただくことは特に大切なことだと思っています。その手段として地域SNS「ピアッザ」がぴったりだなということで導入させていただきました。
他のSNS――FacebookやInstagramでも情報発信しているのですが、地元の方とのコミュニケーションに特化したピアッザでは「ホテルの日常」が垣間見えるような投稿を特に心がけています。ご覧になるユーザーさんが思わずコメントを返したくなるような絶妙なコミュニケーションの距離感といったものを常に意識しています。
実は先日、ピアッザにショーケースをご紹介する投稿をしたんです。そしたら、ピアッザユーザーの方からコメントで「演者としてパフォーマンスしたい」というリアクションをいただきまして。なんとその方には実際にショーケースにご出演いただくことが決まったんです! ピアッザを通じてそういうつながりができたのはとても嬉しかったですね。
とはいえコロナ禍ですから、ホテルに足を運んでいただくのはまだまだ状況的に難しいと思うんですね。ですから――本当は来ていただきたいんですが――今すぐでなくてもいいので、状況が落ち着いたらいつか行ってみたいなと思っていただけるような投稿を心がけています。
今は日本のお客さま中心にご利用いただいていますが、コロナが収束したら海外からインバウンドのお客さまにもたくさんお越しいただいて、ロビーがもっと活気あふれる状態になるといいなと心から願っています。